2007年0510

扉の外 2 評価 9/10 意外に続編がおもしろかった。

扉の外 2 (2)[Amazon]

 全作である、扉の外がおもしろかったのですが、綺麗に終わっていたため、どうせ無理矢理書いたんだろ?つまんねーに決まってるとタカをくくっていたのですが・・・

 ヤバおもしろい

信頼するか 裏切るか?というゲーム

 前回密室に閉じこめられてしまった生徒達ですが今度も新しいコミュニケーションゲームをすることになります。かかっているのは・・・命・・・ではないものの、それに近い生活必需品や食料・・・無くなれば・・・餓死?という危機的状況。

 今度のコミュニケーションゲームは、信頼を試す物。

 4つのチームにわかれ、カードを出すのですが・・・みんなが、みんなを信頼すれば生き延びられるが・・・裏切ると裏切ったヤツだけが得をして信じた物は損をするというゲーム。
 それを防ぐために、中立のカードを出すと・・・大損はしない物の小さく損をする・・・
 全員が、全員を信じて天使を出せば生き延びられるのですが・・・誰かが裏切ると先に死んでしまう。でも、信じなくてもじり貧・・・。

 そんな、『信頼』を試すゲームにさらされた少年・少女達は・・・信頼し合うのか?それとも裏切って自分だけ助かるのか?

人間の醜さを描き出す

 この小説で一番のテーマになっているのはなんと言っても人間の醜さ。

 たとえば、最初のクラスが、この特殊なゲームの部屋に入ったときにこんな事が起きます。まだゲームが始まる前は、この部屋は良い食事があったり優遇された場所だったのです。
 他のクラスにもこの部屋のことを教えようか?と主人公達(この部屋を発見した人たち)がクラスメイト(ただ連れてこられただけで、いままでボーっとしていた人たち)に質問するのですが、クラスメイトは、他の人に教えるのはマダ速い。(しばらくは自分たちだけが特権階級にいよう)と答えます。

 ようするに自分たちで獲得した利権ならともかく、ただ与えられたダケの利権を分けることもなく、独占しようとする姿勢をさして、自分たちで見つけたわけでもないのに特権階級ヅラしている生徒達・・・と そして、それを表面上はそんなことをおくびにも出さず、いかにも被害者ズラしてとそういう描写が続いていきます。

 この後ゲームが始まるに連れ、このクラスメイト達は、それはもう、自分たちは被害者であるという表向きを装いながら、加害者になっていくという人間としての醜さをどんどん表していき。弱い物をイジメたりしていきます・・・

醜さの中にあって輝く何か

 今回は、そこまで、ソレが描けていませんが、そういう人間の醜さを描いた本作が、人間なんて最底だと言いたいのかというと、そうではないように感じます。
 結局、主人公が最後には、自分を犠牲にして仲間を助けようとするように、まぁ、人間は醜いけど、そんなに捨てたもんでもないさ。というメッセージがそこかしこに隠れているのがなんというか、救いなのでしょうか?

 まぁでも、そうそう人間ってキタネーよなーとか笑うのが正しい本作の楽しみ方だと思いますが(w

扉の外

 ヒキコモリ気味の私からすると、自分の家の『扉の外』。つまり、一人じゃない、みんなのいる世界。は、たぶん、こういう認識です。

 ただ人が二人以上いると言うだけ、醜さが浮き彫りになってしまう世界。それをよりわかりやすく描いたのがこの作品です。だから、見る人によっては、現実よりも汚い世界と写るでしょうし、見る人によっては、現実よりはマシな世界と写ることでしょう。

 願わくば、あなたが こんな醜い世界を見ませんように。でも、人の不幸は蜜の味っていいますし(w。
 だれかが裏切るんじゃないかと、信頼のカードを出せずに自滅していくクラスメート達を見て、ほくそ笑めば良いと思う。そういう作品。


その他






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