2008年0623

齢30,全てを技にささげ、削り削りて、この身はすでに龍をも殺す。 されど いまだ入るべき鞘もなし

椿三十郎

映画はいいねぇ、歴代の名作 椿三十郎のリメイク版。織田裕二が演じる椿三十郎は、ちょいとケレン味というのか、深みというのか、世界をナナメに見る感じがすくなくて、真っ正直のヒーロー物という印象もなくはないが、名作は名作。

とくに、2つのシーンは、今見てもやはりよい。

腕はめっぽう立つが、寄る辺のない彼を指して、『本当によい刀というのは普段は鞘に入っている物ですよ』と彼を窘(たしな)めるシーンと、なんといってもラストシーン

悪党に付いていたサムライと、椿三十郎の決闘シーン

最後の最後に椿三十郎が味方した方が勝ち、悪党に付いていたサムライ側はサムライだけが残った。

そんな中、最後の最後に、悪党に付いていたサムライがオマエは酷い奴だと三十郎の前に立ちはだかり

三十郎は『仕方がなかったんだ』と申し訳なさそうに『オマエには一目置いていたんだぜ』と本当に申し訳なさそうにいう。

確かに劇中、三十郎はこのサムライとの争いはさけようとする。アレは虎だと。猫は何人いても敵ではないが、あれは一匹でも虎だと。

そんな、虎のサムライが、最後の最後に現れて

それでも、三十郎は、『オマエとはヤリたくねぇ』といい

サムライは
『それでは、俺の気が済まぬ』とにらみつける

受けて、三十郎は、

『じゃぁ、やろう。だが、こいつらには手を出すな』

と、若い侍達を指し示す

それに、敵のサムライも 、クビを縦に振る。

あぁ、眼中にないんですね・・・本当に、虎と虎のぶつかり合いなんだ・・・というシーン

結果、三十郎が勝つのですが

お見事とはやし立てる、若い侍に

『うるせぇ、お前らに何が分かる、俺は今 気が立ってるんだ』と不愉快そうな三十郎


たまたま味方したのが、若い彼らで、敵のサムライの方ではなかった。それだけの話し、本当にたまたま、

出会うのがひととき違っていれば、きっと、良い仲間に慣れた虎同士


いかに愚かな自分だとて、30年という時間は たいていの物を乗り越える



椿三十郎は、劇中で、もうすぐ四十浪ですが、というシャレを飛ばすが、ここら辺から、椿三十郎が三十であると言うことがうかがい知れる

30年剣の道だけに生きれば、いかに愚かだとて、いかにバカだとて、たいていの人間には追いつけない腕になる。

才能は努力に追いつけけない。それが、30年50年100年という努力であればである。

たまに、僕のことをスゴイと褒めてくれる人がいるが、結局、僕の答えは、こんなもの誰にでも出来る。である。

バカで愚かな僕にもできたんだから、他のもっと頭の良い人には余裕で出来るだろう。僕がやってきたこと30年かけたことを20年かはたまた15年か、それとも10年か。できるだろう。

そんだけのこと。

それでも、齢30,全てを技にささげ、削り削りて、この身はすでに龍をも殺す。 されど いまだ入るべき鞘もなし。


なんというか、そんな感想を思いつく映画でした。

まぁ、僕の場合は、痩せ細った痩せ刀がせいぜいで、綺麗な鞘と台を与えて、床の間に飾って頂けるような名高い名刀という粋にはついぞ、届きませんでしたが。

ま、そんな 僕だからこそ、こんな映画がオススメです。


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